食器用洗剤はエコベール(ecover)と決めている。
それというのも、しっかりした洗浄力にもかかわらず、驚くほど手肌にやさしく肌荒れしにくい上、環境にもすこぶる優しいからだ。
使い始めたのは多分20年近く前だろう。
その頃のわたしは、どんなに「手肌に優しい」とテレビCMで謳われている洗剤を使っても手荒れしてしまい、食器洗いの時はゴム手袋が必需品になっていた。
だが、頼みの綱のゴム手袋は、わたしの使い方が荒いせいか、はたまたタワシやささらをよく使うせいか、すぐに穴だらけになってしまう。
新しいのをおろしたばかりなのに使い物にならなくなる、てなことが何度も続いていい加減うんざりし始めていた。
そんな時、「もし手荒れしない洗剤があればゴム手袋ともおさらばできる」と思い立ち、本当に手肌に優しい食器用洗剤を探すことにしたのだ。それが見つかるまで。
名付けて「ゴム手袋おさらば計画」の始まりである。
と言っても、要するにスーパーで買える合成洗剤から石けん系のエコな台所用洗剤、果ては取り寄せ必須の輸入ものまでありとあらゆるものを試すだけなのだが。
でもそうやって色々お試しした結果、ベルギー生まれの洗剤、ecoverにたどり着く。
当時は「エコバ」と呼ばれていたのだが、ここの食器用洗剤の「カモミール」がすばらしく手に優しいという評判で、しかも排水後に生分解されるので環境にもすこぶる優しいという。
「そんなすごい洗剤があるのか!?」と驚いてチェックしてみたところ、輸入物だけあり値段はスーパーで買える特売洗剤の3倍以上していた。
正直、試してみるのをかなり躊躇したのだが、よく考えてみれば、それまではゴム手袋代もかかっていたのだ。合計すると大して変わりはない。てことで、ちょいと算盤をはじいてみて、「環境にも良いから」と腹をくくり、「えい!」と買ってみることにした。
これが使ってみてびっくり。
すばらしく手に優しいと言う評判は嘘ではなく、使った後の手肌がそれまで試したどの洗剤とも違う。これまでは食器洗い後に粉を吹いたようにガサガサになっていた手の甲が心なしかしっとりしているのだ。
皿の油汚れはしっかり落とすのに手が荒れないなんて、お高い洗剤はこんなにも違うものかと目から鱗が落ちてしまった。
1979年にベルギーで誕生したエコベールは、世界がまだ環境問題に目を向けていなかった頃から人と地球にやさしい洗剤を開発し続けてきたメーカーだ。
洗剤に含まれるリン酸塩が水を汚し、水中生物たちから生きる場所を奪っていく。その様を目の当たりにしたベルギーの科学者が、リン酸塩を含まない洗剤を開発する。
そこからエコベールは始まった。
水を綺麗にすることへの強いこだわりをもつエコベールは、生分解できる原料を使うことにもこだわっている。生分解というのは、排水に含まれる成分が微生物によって、二酸化炭素、水、ミネラル、バイオマスに分解されることを指し、エコベールはその分野での研究も重ねている。
そのこだわりが、糖を発酵させて作られた画期的な界面活性剤であったり、石油ではなくサトウキビからできた100%再生可能のプラスチックボトルであったり、森林破壊につながるパーム油の使用量を減らすことであったり、パーム油を使う場合でも森林破壊を行わないプランテーションと製造法で提供されたものだけを使うことにつながっている。
近年、使用する香料が変わってラインナップも見直されたようで、長年使っていたカモミールも前よりも香りが強くなった。
その変わり、無香料の「ゼロ」シリーズが加わり、最近はカモミールからこのゼロに乗り換えて愛用している。
毎年「食器洗いで手が荒れる」という声が家族や友人から聞こえ始める冬には、「騙されたと思ってまあ使ってみて」と勝手にエコベールを1本送りつける「布教活動」をしているのだが、「本当に手荒れしないからびっくりした」というフィードバックをもらうたびに、「ふふん」と密かに鼻を鳴らして得意になっているわたしである。
「あとは自分で買ってね」と思いながら。
新型コロナウイルスCOVID-19の感染予防のために手を洗う頻度が多くなり、手荒れが避けられない昨今、エコベールの食器用洗剤はやはり手放せない逸品なのである。
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ecoverジャパン オフィシャルWebサイト
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