鴨川に並行して伸びる細い小径の先斗町。開店準備に忙しそうな店の人や観光客にぶつかりながら、「ここに来るのは久しぶりだなぁ」とキョロキョロぶらついていたら、この看板が目についた。
温かみのある黄色のまんまるの中に黒い羽を広げるトンボが一匹。まるで山吹の花にちょいと止まっているように見える。
トンボにならって私もちょいと立ち止まり、写真を撮っていたら「ちょっとすんません」と声をかけられた。
どうやら先を急ぐ後ろの人の行く手を塞いでいたようだ。
「あ、すんません」
即座に謝って道を譲る。
何年も寄らない間に先斗町は知らない店ばかりになっていたが、道の細さはちっとも変わらない。