カラメルは究極のずぼら料理かもしれない。
何しろ、砂糖に熱を加えて溶かし、焦がすだけでできるのだ。
もちろん、溶けた砂糖が再結晶しないように混ぜないとか、良い塩梅の焦げ具合になったら水分を入れてそれ以上焦げないようにする(尚且つ飴になってしまうのを阻止する)とか、コツや作り方のポイントはある。
でも、コツとポイントさえ押さえてしまえばこっちのもの。最後に入れる水分を変えるだけで、自由自在にアレンジできる。
水(あるいは熱湯)を入れるとクリアでシンプルなカラメルになるし、水だけでなくそこにレモン汁を足すと爽やかな味のカラメルになる。(レモン汁入りはプリンのカラメルにオススメだ。)
また、水のかわりにバターや生クリームを入れるとクリーミーで濃厚なミルクキャラメル味になるし、そこに塩を入れれば塩キャラメルになる。
今回は最後の水分にオレンジジュースを使ったオレンジ風味のカラメルの作り方の紹介だ。
「作り方」と言うほど大袈裟なものではないのだが、ついでにカラメルを作る時のコツとポイントも。
材料はグラニュー糖と同量のオレンジジュースだけ。
グラニュー糖がなければ白砂糖でも良いが、きび砂糖や三温糖のような薄茶色の砂糖で作る場合は難易度が上がる。それというのも、薄茶色の砂糖はただ溶けただけなのか色づき始めているのかがよくわからず、良い焦げ具合のカラメルを作るのが難しからだ。
オレンジジュースは果汁100%のものがお勧めだ。
材料の準備ができたら、フライパンか平鍋に砂糖を入れ、少し揺すって鍋底いっぱいに薄く広げてから中火で熱する。

ここで重要なのは決して混ぜないこと。これがカラメルを作る時の唯一のコツ。
というのも、砂糖は一旦溶けてもなんとか元の姿に戻ろうとする性質があるようで、溶け始めた砂糖を混ぜてしまうと再結晶してしまうからだ。

砂糖が完全に溶けて液状になり、ぶくぶくと沸騰しながら黄色く色付き始めるまでは混ぜない。

もし溶けずに残っている部分があったら、そっとフライパンを回して溶けている砂糖をそちらに流す。
砂糖の色が茶色になり始めたらそこからは早い。あっという間なので、オレンジジュースを手元に用意し、しっかりと好みのカラメル色になるまで焦がす。


好みの色になったら一旦火からおろしてすぐさまオレンジジュースを入れて温度を下げる。

カラメルの一部が飴状になっても気にしない。
もう一度フライパンを火に戻し、弱火で温めながらかき混ぜているうちに飴も溶けてしまう。

ほんの少し煮詰めて好みの濃度にしたらそれでオレンジ風味のカラメルの出来上がりだ。

このままの状態で冷まし、プリンのカラメルとして使っても美味しいし、リンゴを煮てタルトタタンにしても美味しい。
カラメルが熱いうちにバターを入れてよく混ぜ、それをバニラアイスクリームにかけるのもおすすめだ。
バターを入れたものにさらにスターアニスやシナモンとバニラで風味をつけ、バナナをキャラメリゼするとパリの三つ星レストランの豪華なデザート風にもなる。
カラメルが余ったら、蓋のできるガラス瓶などに入れて冷蔵庫で保存すると良い。

オレンジ風味のカラメル

オレンジ風味のカラメル
プリンのカラメルにしても、タルトタタン用のリンゴを煮るベースにしても、スパイスを加えてバナナをキャラメリゼしても美味しいです。
冷蔵庫で1〜2週間は保存できます。
食材
- グラニュー糖 100g
- 果汁100%のオレンジジュース 100cc
手順
- 平鍋にグラニュー糖を入れ、ゆすって砂糖が底に薄く均一になるようにしてから中火にかける。
- グラニュー糖が溶け、色が変わり始めたら目を離さず、好みのカラメル色になるまで焦がす。途中、スプーンなどで混ぜると砂糖が再結晶するので混ぜない。一部だけどうしても溶けない場合は鍋を静かに傾け、溶けていない砂糖を溶けた砂糖で湿らせると良い。
- 好みのカラメル色になったらすぐに鍋を火からおろしてオレンジジュースを入れる。水蒸気が上がって跳ねるので、火傷に注意する。
- カラメルが一部飴状になるが、気にせずスプーンなどで混ぜながら弱火にかけて再沸騰させる。
- 少し煮詰め、好みの濃度になったら出来上がり。