葡萄を買ったら渋かった。
スーパーで瑞々しいチリ産の葡萄が安売りになっていて、「こりゃあいい」と3房買い込んでいそいそと帰宅したのに、甘くて美味しいのは1房だけ。残り2房は渋くてとてもじゃないが食べられない。
シワシワの干しぶどうになるまでそのまま放置することも考えたが、ふと、赤ワインでコンポートにしてみたら良いかもと思いつく。
渋いのは皮なので、ポリフェノールを犠牲にして皮を剝いてしまい、冷蔵庫にちょっぴり残っている赤ワインでコンポートにすればいいんじゃないか?
コンポートは大好物で、生で食べ切れないくらい大量にフルーツを買い込んだ時によく作る。
フルーツをワインやリキュールで香りをつけたシロップで少し煮るだけなので、ジャムよりお手軽にできるし、ワインやリキュールの香りがフルーツを高級なデザートに変えてくれるので、家にいながら贅沢な気分が味わえるのだ。
よく作るのは白ワインを使ったイチジクや洋梨のコンポートと、赤ワインを使ったアメリカンチェリーのコンポート。
今回は初挑戦の赤ワインを使った渋い葡萄のコンポートである。
作り方は簡単。
皮を剝いて種を取り除いたブドウを赤ワインとレモン入りのシロップでさっと煮て、シロップごと冷やすだけ。
ただ今回はこの皮むきが厄介だった。
葡萄の皮は湯むきで綺麗にむけるはずなのに、今回の渋い葡萄の皮は一筋縄ではいかず、結局ナイフで皮をむくことになってかなり時間がかかってしまったのだ。
だが、シロップで煮て一晩冷蔵庫で冷やした葡萄は大満足の出来。

冷やしている間に赤ワインが葡萄の実をワイン色に染めて、より美しくなった。
パクリと食べてみるとレモンと赤ワインの香りがまず鼻腔に届き、歯応えが残っているブドウを噛むと、途端に甘酸っぱい味が口の中に広がる。
うん、これはプレーンなフローズンヨーグルトによく合いそうだ。
シロップにスターアニスを一片入れても良いかもしれない。
顔をしかめて食べた渋い葡萄がこんな贅沢なデザートになって、なによりとてもご満悦なのであった。

葡萄のコンポート

赤ワインを使った葡萄のコンポート.
葡萄の皮は湯むきすると早いが、湯むきでもむけない皮はナイフでむく。
シロップにつけたまま冷蔵庫で保存し、1週間以内に食べきる。
残ったシロップは煮立ててもう一度コンポート液として使っても良いし、そのままソーダで割って飲んでも美味しい。
食材
- 大粒の葡萄(巨峰など) 1〜2房
- 水 100cc
- 砂糖 大さじ3〜4
- 赤ワイン 50cc
- レモン 1/4〜1/2個
手順
- ブドウの粒を房から外し、湯むきするかナイフで皮を剝く。種がある場合は半分に切って種を取り除く。
- レモンは皮ごと輪切りにする。(一手間かけたい場合はレモンの皮の黄色い部分だけを薄くむいておき、レモン汁も絞っておく。)
- 鍋に水と砂糖、赤ワインを入れて中火にかけ、砂糖を溶かしつつアルコール分をとばす。
- 3の鍋を火にかけたまま2のレモンを入れる。
- そこに1のブドウを入れ、強火で一度沸騰させ、強火のまま2分ほど煮て火から下ろす。
- ある程度冷めたら冷蔵庫に入れ、1晩寝かせてから食べる。