NY マンハッタンのヘアサロン:Salon Shizen

東京に新店舗出店

「そう思ってオープンから2年、忙しくなって1年くらいがたったころです。
駐在の日本人はだいたい1、2年で日本に帰るじゃないですか。
そういう人たちに帰国後のヘアサロンとして先輩や知り合いの店を紹介してたんです。でもそうしているうちに、『本当はKoshiさんに切ってもらいたいんです』『Yokoさんに切ってもらいたいんです』という人が増えて来て、『あれ? この先この人たちに携われないのかな?』と思って。『もし東京にお店があったら、こういうお客さんたちに携われるよね』と安易に思ったのがきっかけ」

しかし店は安易にオープンできるものではないことくらい3人は百も承知だ。

「そうしたらまた地獄が始まったんですよ(笑)。やっと落ち着いたと思ったら! ぞっとしたよね(笑)」

Koshiの笑いにYokoが同じく笑って答える。

「『お前は馬車馬のように働けー』って言われて(笑) もちろん冗談だけど、たまに冗談じゃないんじゃないかと思うこともあって(笑)」

Koshiが東京で物件を探し、準備を整える間、ShizenはYokoとTaikiに任される。

馬車馬のように働いたYokoとTaikiの支えと、時差ぼけと疲労でタクシーの中で吐きながらも東京中を走り回ったKoshiの努力が実り、2008年6月1日、Taikiの誕生日に3人は青山にサロンTHE OVERSEAをオープンする。

南青山のヘアサロン THE OVERSEA
南青山のヘアサロン THE OVERSEA
THE OVERSEA 店内
THE OVERSEA 店内: Tin Ceilingとむき出しのレンガの壁、 Brooklynで見つけたという年代物風の電球がNYらしい

店の名前は、Shizenのオープン以来フォトシューティングなどの仕事でもプライベートでも交流が深まったThe Journalの創設者で編集長のMichael Nevinがつけてくれた。

NYのSalon Shizenが海を渡って(oversea)日本に戻ってきたと言う意味と、親が子を見守る(over see)ようにという意味を込めて。

Photo by Maciek Kobielski
Model The JournalのMichael NevinとJulia Dippelhofer夫妻, Hair by Koshi, Photo by Maciek Kobielski

ニューヨークと東京と未来

以来、KoshiとYokoは交替で東京とNYをほぼ一ヶ月ごとに行き来している。

Taikiは今やハサミを手にすることはなく、会社管理の一切を担っている。

「今は従業員も増えて益々会計やその他の仕事が重要になってきているのでやりがいを感じています」

というTaikiは、

「これからNY、東京で素晴らしい仲間とヘアーを通じて、NYと東京で他のヘアサロンがしていない事がもっともっと出来ればいい」

と言い、

「僕はそのみんなの大きな支えになるのが役目だ」

と言い切る。

Koshiが舵をとり、YokoがKoshiをサポートする。
Taikiはそんな二人を煩わしい業務からがっちりと守り、自由に活動させてやる。

3人は血縁や婚姻関係で結ばれた家族だが、それとは別のもので密接につながった「同士」でもあるのだ。

その3人が何か新しいことをする時は、全てがオーガニックに始まる。
フィーリングの合う写真家と「何か一緒に作ろう」と楽しく話していると、それが写真集となる。

現在までに、Tim Barberと”Mystic Heather & Virgin Snow”を、Kathy Loとは”Kiss”を作り上げた。

どちらもSalon Shizen & THE OVERSEAプロデュースだ。

Photo by Maciek Kobielski
Model Tim Barber, Hair by Koshi, Photo by Maciek Kobielski

そして来年はSalon Shizenを拡張移転し、3店舗目となる店を東京にオープンすることも考えているとか。

「でもあまり大きくするつもりは無いんです。
お金に流されたくないっていうのがNYに行ったきっかけだし。自分たちの頭の中で思い描く良いサロンを作り、良い撮影をして、少数精鋭でやりたいねと思ってる。ビジネスから見ると、僕たちのやりかたは多分うまくないように映るかもしれない。でもスタッフの顔を見ていると、自分たちだけが良ければ良い、金持ちになればよいとは全く思わなくて」

そう話すKoshiをYokoは「昔からやりたいと言ってることが全く変わってない」という。

「僕たちが自分たちの思うとおりやりたいように、従業員の好きにやらせてあげたいっていうのがある。独立してもいいし、一緒に働いてもいい。
僕たちに出会って素晴らしい人生だったと言って欲しいし、良い結果を得て欲しい。それに従業員の人生を背負ってるわけじゃないですか。
みんなが僕らを信頼してやってくれるんだから、みんなが納得できるような結果を残したいし、その責任もある。それに向かって頑張ってる感じ。それにスタッフは僕たちの財産だしね」

Koshiの思いはスタッフにもしっかり伝わっているようだ。

「スタッフ達も幸せだといってくれるんですよ。
昨日なんか一人からメールが来てましたよ。『今日は幸せな時でした。これから二人に一生ついていきます』って(笑)」

自分たちも幸せかと問うてみた。

すると、「いろいろな苦労のおかげで強くなれた気がする」というTaikiは

「今もまだまだ満足してないですが、NYと東京で自分たちのヘアサロンがあるということが一番の喜び」

だと答えた。

自分自身のことを「全く野心がなくて、スタイリングしていられればそれで幸せで、山形でも東京でもどこでも良かった」というYokoは、

「KoshiのおかげでNYに来られたし、たくさんのお客さんに喜んでもらえて素晴らしいアーティスト達とも仕事ができる。幸せですよ!」

とにっこりする。

そして「いつも前に進んで行きたい」というKoshiはこう答えた。

「え? 幸せですよ。でも同じこともう一度やれと言われたら、絶対に嫌だけど(笑)」

Photo by Tim Barber
Model Julia Burlingham, Hair by YOKO from Salon Shizen, Photo by Tim Barber

Top Photo by Tim Barber

Salon Shizen
627 East 6th Street (Between B & C Ave.)
NY, NY 10009phone: 212-777-2128
Mon & Wed-Sat 11:00am-8:30pm
Sun 11:00am-7:30pm
http://nyshizen.com/

THE OVERSEA
東京都港区南青山3-7-16 キラキラビルB1
phone: 03-6319-5066
平日11:00am-8:00pm
土日祝日 10:00am-7:00pm
火曜定休日(祝日の場合は営業)
http://www.theoversea.com/

“Kiss” by Salon Shizen x THE OVERSEA w/ Kathy Lo

Salon Shizen & THE OVERSEAがプロデュース、自社出版した初の写真集(初回150部限定)

フォトグラファー: Kathy Lo
デザイナー:Fairchild Fries
キャスティング:Douglas Perrett (COACD)
モデル:Ashley Smith, Aris Sayd, Erik Johnson
ヘア&メイク:Yoko, Koshi, Hando
http://nyshizen.com/kiss.html

JAL 日本航空 国際線航空券
Sooim KIM 

面白い映画、演劇、ドラマを求めてあちこちをさまよいつつ、美味しいものを食べ、好奇心にまかせていろいろ作る。

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