相棒がシリコン製のどでかいスプーンを買ってきた。
料理好きの相棒は、調理器具や台所道具に目が無い。油断すると「洗濯機から取り外した洗濯槽?」というサイズの巨大鍋やら、「オール?」という木べらが突然台所に出現する。
結局「これはやっぱり使えない」となって手放したものも多いので、相棒がニコニコ顔で台所に持ち込むものには常に目を光らせるのがわたしの習い性になっていた。
そんな状況で持ち込まれたのが無印良品のシリコーン調理スプーン。
猜疑心に満ちた目で見つつ、隙あらば遠慮なく「おさらばリスト」に加えてやろうと思っていたら、これがどうして、なかなか使い勝手が良い。
いや、なかなか良いどころか、とてつもなく便利な逸品だったのである。

全長26cm。
手に取ると、思わず片目に当てて「右」と言いたくなる形状をしている。
想像よりずしりとしていて、安定感がある。
ステンレス鋼の芯材を耐熱温度の高いシリコーンゴムで覆った作りで、金属の入っていないスプーンの外周約1cmだけが「ぷにょん」としなるようになっている。

この、端から1cm内側まである芯材のおかげで木べらのかわりに炒め物にも使えるし、端に1cmあるシリコン部分のおかげでゴムベラのように鍋肌についた液体をきれいに拭い去ることができるという、よく考えられた調理スプーンなのだ。
おまけにスプーン部分は適度にぷっくりしているのでお玉がわりにもなる。

これ1本あれば、炒め物も汁物もどんと来い。
カレーを作った日には、鍋の中のカレーが最後まで綺麗にすくえて、鍋を洗うのも楽チンになる。
このスプーンのおかげで洗うときに使う洗剤や水も少なくてすみ、環境にも良いというおまけ付きだ。
欠点があるとすれば2つ。
臭い移りがしやすいことと寿命があるということだろう。
臭い移りは油汚れがすっきり落ちにくいシリコンやプラスチック製品にありがちだが、酢で拭ってから洗ったり、ときどき重曹とお酢を入れた湯に1時間ほどつけておいたりといった一手間が必要になる。
また、金属芯の端の部分でシリコンが切れてしまいがちなので、力をいれすぎないよう注意が必要だ。金属が剥き出しになってしまったら、これはもう寿命とあきらめるしかない。
幸い、こちらの調理スプーンは価格が見直されて、定価850円から590円になったのがありがたい。

だがこの2つの欠点を含めても、やはり使いやすい調理スプーン。
お勧めの逸品なのである。
Information
無印良品のシリコーン調理スプーン
Rakuten Link
![]() |