相棒が愛用しているコットンセーターの襟ぐりがかなりヤバくなってきた。
見るたびに「ずいぶんボロボロだなー」とは思っていたが、本人が気にせず着ているのだからそのまま放置。
世の中にはグランジルックというものがあり、ボロボロになっているからこそカッコ良いというものもある。
てことで、このセーターは私の中では「相棒のグランジルックアイテム」として分類されていたのだが、ある日、洗濯物を畳んでいた相棒が突然「これ、首のところなんとか直せないだろうか」と言ってきた。
なんと、襟ぐりがあまりにもボロボロなので恥ずかしくて外に着ていけないと言う。
(なんだ、グランジルックを楽しんでるんじゃなかったのか)と心の中でつぶやきつつほつれ具合をチェックする。

襟ぐりが完全に外れている部分もあれば、二重になっている襟のリブの表側だけ、あるいは裏側だけがほつれている箇所もある。
身ごろの糸がほつれ始めているところもあって、これを綺麗に繕うにはニットのお直し専門店に出すしかない。
だが相棒は穴さえ塞がればなんでも良いと言う。
そういうことなら私の好きにやらせていただこう!
どんなふうに仕上げるかあれこれ考えながら、何はともあれ似た色のコットンの糸で穴を適当にかがってみた。

案の定「ここは穴がありました」という感じの仕上がりになった。
こうなるとやはり何か細工をほどこしたくなる。
そんな時に頼りになるのがお気に入りの刺繍本「はじめての恐竜刺しゅう」だ。

この本に載っている恐竜の骨の図案を前からどこかに刺繍してみたいと思っていたのだが、このネイビーブルーのセーターの襟ぐりに刺繍したらきっと「襟ぐりの穴を掘ってみたら、恐竜の骨が出てきました」ってな感じになって面白いに違いない。
襟ぐりのラインに沿うように図案の恐竜には多少身体を反ってもらうことにして配置を考える。
セーターに図案を描き写すのは少々困難なので、今回は模写の要領で図案をチラチラ見ながら目分量で刺すことにした。
まずは前身ごろの右襟。

一番ほつれが大きかった部分がなるべく補強できるように、恐竜の背骨の太い部分と腰骨を刺繍し、尻尾の骨も点々と刺していく。


襟ぐりのラインにそって残りの背骨を刺しながら、ほころびを繕った部分に到着したらそこに頭をチクチク刺繍。
あとはおまけの手足を刺繍すれば完成だ。

結構雑な刺し方だが、それがまた骨っぽくてなかなかイカしてる。
お次はこちら。

同じ要領でこちらも図案を見ながら、カバーしたい部分が刺繍で隠れるように調節しながら恐竜の骨を「発掘」。

後ろ身ごろの襟ぐりも大きく分けて2箇所、繕った部分に恐竜の骨を刺しゅうした。


刺繍が終わった襟ぐり部分を広げると、こんな感じ。

こうして見ると、なんだか昔この中央部分には聖なるものがあって、それを恐竜たちが守っていたような図にも見える。
実際恐竜たちが守っているのはほころびを下手くそに繕った縫い目なのだが、それはここだけの話ってことで。
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上手い!! 器用ですね―――★
リペアの天才です。見習わないと♪
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まあ、嬉しい!ありがとうございます。でも天才じゃなく、完璧を目指さず楽しくリペアを目指すのでできるんだと思います^^
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アイディアがいつも素敵です♪
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ありがとうございます!
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