無印良品のソファベッドをボーエ・モーエンセン化してから約1年。
その思いつきから完成までをレポートしたシリーズ「無印良品ソファベッドのボーエ・モーエンセン化計画」は思いのほか好評で、この1年の間にいろいろとお問い合わせもいただいた。
中でも多かったのは「こういうの欲しいんだけど、こんなの自分で作れない。製作費をお支払いするので同じものを縫ってもらえないか?」「こういうのを作ってくれるところを知ってたら紹介してくれないか?」というもの。
確かに、よほどの縫い物好きかチャレンジャーでない限り、ソファカバーを自分で縫うというのはハードルが高いかもしれない。
同じものが欲しいという方のソファカバーを全て私が縫えれば良いのだが、なんせこちとらド素人。空いた時間に趣味でいろんなものを作ったり直したりして楽しんではいるものの、人様から製作費をいただいて注文を受けるのはちと躊躇する。
じゃあどうすればよいか?
Google先生におうかがいすれば良いのだ!
と、早速おうかがいを立てると、さすがGoogle先生、あっという間にとても良いことを教えてくれた。
ということで、本日は「自分でソファカバーを縫わずに無印良品ソファベッドをボーエ・モーエンセン化する方法」をご紹介しよう。
でもその話に進む前に、これまでのお話を復習したい方はまずこちら。
これまでのおはなし
・序章
・生地選び
・カバーを縫う
・ボタンタフティング
・円柱型クッション
オーダーメイドという選択
自分ではソファカバーを縫えない・縫わないけれど、自分好みの生地のソファカバーが欲しい場合、オーダーメイドするのが一番だ。
だがオーダーメイドは正直少々お高い。私も自作するに前に調べたことがあるのだが、どこも加工代だけで3万円以上かかり、そこに生地代や送料、税金を入れると合計で最低でも7万円はかかるのだ。
ソファカバーに7万円というのは抵抗があるだろうから、できればもう少しリーズナブルなお値段でオーダーメイドできるところがあれば良い。そう思いつつGoogleで検索してみると、検索結果のトップに上がってきたのがComfort Worksというハンドメイドソファカバー専門店だった。

早速ウェブサイトのトップページをスクロールして驚いた。
なんとこの会社、IKEAや無印良品が出しているソファやチェアにぴったり合うカバーを作っているようなのだ。

まさかと思って「無印良品」のサムネイル画像をクリックすると、ボーエ・モーエンセン化にぴったりなソファベッドの姿も出てきた。

その他にも「オットマンカバー」や「体にフィットするソファカバー」もあり、「旧型ソファカバー」のカテゴリーもある。
「まさか、まさか!?」と声を漏らしながら「ソファーベッド」を選んで進んでいくと……
じゃじゃーん!
無印良品の「木製ソファフレーム用カバー」という名前で、ポチっとするだけでオーダーできる商品になっている。
しかも、生地は約60種類から選べて、お値段も22,800円から。
まさに夢見ていた通りの会社がここに存在していたのだ。
オーストラリアの専門店
いったいどんな会社なのだろうと好奇心が湧いてWebサイトを読み進んでいくと、なんとこの会社、オーストラリアの会社ではないか。
日本語のウェブサイトや無印良品のカテゴリーに惑わされて、勝手に日本の会社だと思い込んでいた。だが言われてみれば無印良品はヨーロッパやアジアでも大人気だし、IKEAの家具も世界中で愛用されている。それに日本では知名度の低いアメリカの人気家具ブランドPottery Barnのカテゴリーもしっかりある。
世界中で愛用されているそんなメーカーたちのソファにぴったり合うソファカバー。それを注文に応じて作り、世界各国に発送してくれる専門店。それがこのConfort Worksだったのだ。
始まりは自作から
創業者のへンリーさんとレイチェルさんはその昔、自宅のリノベーションをした際に、新しいインテリアデザインに合うソファカバーをオーダーメイドで作ってもらおうとした。
ところが、製作期間が8週間、製作費に7万円、さらに生地代が1メートル4000円かかると言われ、自分たちで作ることを決意。YouTube動画を見ながら中古のミシンで自作したらしい。
創業者のレイチェルさん 創業者のヘンリーさん
二人が作ったカバーは評判がよく、今度は友人やご近所さんのために作ることになる。
やがて裁縫師を迎えて自宅のガレージでソファカバーを製作するようになり、それがどんどん発展し、2010年にはとうとうオンラインショップをオープン。今では従業員55人、香港と深センに自社工場を構えて世界中から注文を受けるまでに成長したんだそうだ。(詳しくはこちら)
いやはや、似たようなきっかけでソファカバーを自作してるのに、「同じのを作って欲しい」と言われて躊躇した私とは器の大きさもビジネスセンスも違う。
生地サンプルから3年後まで
Comfort Worksでは、無料生地サンプルも送ってくれるというのもありがたい。
生地というのはパソコンのスクリーンで見ているだけでは色合いや風合いがわからないので、実物を手にとって肌触りを感じてみたり、部屋の中で見てインテリアと色合いが合うかを自分の目で確認することがとても重要だ。
生地サンプルは一度に8種類まで選べて日本には3〜5日くらいで届くらしい。日本で人気のグレーを集めた「グレーサンプルパック」というのもあって、これも気になる。
生地サンプルは送料がUS$5.00程度かかるものの、サンプルを注文すると実際のオーダー時に使える割引クーポンがもらえるキャンペーンも現在開催中なので、サンプルを入手しない手はない。
また、タフティング用のボタンもちゃんとオーダーでき、ボタンだけでなくタフティング用の道具がそろったキットまで用意されている。
さらに生地もメーター売りしているので、ハンドメイドが好きな人はソファーカバー と揃いのクッションカバーを自分で作ることもできる。
カバーはオーダーしてから通常わずか3〜4週間で手元に届き(繁忙期はもう少しかかる場合があるらしい)、US$150.00(約17000円)以上の注文は送料無料だし、3年の保証付きだと言うのだから至れり尽くせりだ。
しかも、オーストラリアの会社であってもカスタマーサービスとのやりとりは全て日本語でできるのも嬉しい。今回ブログで紹介するに当たってカスタマーサービスにいくつか問い合わせをしたのだが、とてもフレンドリーで気持ちよいやりとりだったことも付け加えておこう。
実は、無印良品ではボーエ・モーエンセン化にぴったりなこの木製フレームのソファベッドを廃盤にしてしまったようで、現在はもう買えない。当然カバーも無印では販売終了だ。
だがコンフォートワークスでは廃盤になってしまったモデルのカバーも作ってくれるので、まさかの販売終了もなんのその。IKEAや無印やその廃盤モデルだけでなく、他メーカーのソファ用カバーのオーダーも相談できるので、どんなソファだってボーエ・モーエンセン化できるかもしれない。
「うちのソファベッドもボーエ・モーエンセン化したいけど、ソファカバーを縫うなんて無理!」と思っていたそこのあなた!
Comfort Worksにカバーとボタンを注文すれば、あとはタフティングをするだけでボーエ・モーエンセン化完了だ!
Information
Comfort Works (コンフォートワークス)
Webサイト
・無印良品木製ソファベッド用カバーのページ
・タフティングボタンのページ
・タフティングキットのページ
・サンプル生地注文のページ
Photos Courtesy of Comfort Works